ロチェスター 大学吉竹です。以前にteam wadaブログでもちょいと紹介してもらいました。
定期手術が延期になったりで、時間ができていたので、普段教科書など通読できなかったので、Kirklinとかを読んだりしました。
最近いいですよね。月岡先生がvideoをアップしてくれてたり、北原先生がオンライン手術トレーニングを始めたり、手術技術のシェア化といいますか、Social distancingが、教育の在り方をさらに一歩革新してくれたと思います。そうならざるを得なかったというのも否めませんが、とにかくいいっすよね。
当たり前のことなのですが、手術は手技ももちろんなのですが、正確な術中マネジメント、さらには治療戦略の組み合わせが本当に重要であるなーと、最近よく考えます。
特に先天性心疾患の手術は成人よりも長いdurabilityが要求されますし、手術の既往歴が多いほど次の手術はやりにくくなりますし、それなりにリスクも上がるので、1回の手術で、どれくらいのベネフィットを得られるかということを様々な業種と多角的に検討することは大事です。
そのような先天性心疾患の治療において、質の高い手術を提供しなければならない小児心臓血管外科医の役割は大きいのですが、今のボスの手術は本当に丁寧で、新生児期の手術から13-14年外科的手術介入回避している症例も少なくありません。そして非常に再現性が高いです。
理由をあれこれ考えてみているのですが、
電気メスで、全て剥離を行いますが、出力はかなり低めで、小児症例では、凝固30以上になったことは見たことがないです。これにより、周囲組織への損傷をminimizeしていると思います。また剥離が非常に丁寧でかつ広範囲で、充分なmobilizationを得ます。ポンプ開始前にほとんどの剥離を出血なく終えます。
使用する糸も細く、SVC、IVCのカニュレーション用の糸に7-0を使ったりもします。
手術手技自体に全く速さはなく、ただただ、丁寧です。運針も必ず一針ずつです。ほとんどの場合、1手で行けるところでも2回に分けて運針します。
Never do in one unless you can’t absolutely do in two.
See every stitch in every anastomosis.
上の2つをいつも言われます。
止血の遺伝子が異なるとはいえ、Norwoodや、ASOのポンプ降りた後でもほとんど出血していないことが多いので、驚きです。
ただ、手技の丁寧さだけでなく、術中の判断や、マネージメントも的確で、ここが、1番手術を学ぶ上でキーポイントになってくると思っています。経験に基づくものなのでしょうが、この経験に基づく部分をみんなでシェアしたり、データ化出来る様になったら、世界中の手術の質が上がるのではないかなーと考えたりしています。
5年目でベントールほどのインパクトはないですが、状況が落ち着いて、遊びに来たい人、興味がある人などがいたら、気軽に連絡ください。
Shuichi_Yoshitake@urmc.rochester.edu